「原因不明の歯痛/顎関節痛」として歯科医師、医師を悩ませてきた疾患の
診断と治療に関する知識を、e- learningで効果的に学習管理できるアプリを開発

【発表のポイント】
・従来の卒前教育では不十分であった口腔顔面部に痛みを生じさせる疾患の診断と治療に関する知識を、e- learningで効果的に学習管理できるアプリを開発した。
・本アプリを用いて学習することで、臨床現場で遭遇する「歯痛や顎関節症のように見える痛み」の鑑別や診断ができるようになる。これにより診断の遅れを生じることなく、ただちに適切な治療を開始する事ができるようになる。

【概要】
歯痛のなかには、歯そのものに原因がないにもかかわらず歯の痛みとして感じているものがあります。「非歯原性歯痛」と呼称され、原因となる疾患には、筋筋膜痛・三叉神経痛・帯状疱疹など数多くあります。同様に、顎関節症のように見える疾患には、舌咽神経痛・巨細胞性動脈炎・ジストニア/ジスキネジアなどがあります。一方で、このような疾患や鑑別法などの知識は従来の卒前教育にはなかったため、臨床現場では「原因不明の歯痛/顎関節痛」として歯科医師を悩ませてきました。日本口腔顔面痛学会は、このような状況に対応できるよう、鑑別に必要な口腔顔面痛(学)の知識を自習するための、e- learningによる教育プログラムを作成し、生涯教育システムを構築いたしましたので報告いたします。

【背景】
助成金:2017年、製薬会社Pfizerが、国際疼痛学会(IASP)と日本疼痛学会(JASP)を通じて「学習と変革のための独立助成金(Independent Grants for Learning & Change)」を提供しました。これをうけて、両学会より「疼痛治療の抜本的改革を支援する教育プログラム(Supporting Educational Programs for Radical Reform of Pain Treatment in Japan)」のテーマで募集が行われました。日本口腔顔面痛学会は、「慢性口腔顔面痛の生涯教育プログラムに資する Evidence based 学習管理システムの開発」をテーマとして応募し、採択され、総額$240,000という歯学系学会が獲得する研究費としては大変希有な規模助成金を獲得いたしました。
社会的インパクト:口腔顔面痛学は、1990年代に米国口腔顔面痛学会を中心に台頭した歯科の新しい領域で、痛みを生じる前記のような疾患を鑑別する「診断学」を核としています。近年では、国際的に口腔顔面痛学の必要性が認知されるようになり、米国では2020年3月31日に全米歯科専門分野認定委員会の承認を受け、口腔顔面痛がADAの新たな歯科専門分野として認定されました。

【IASP教育システム開発プロジェクト】
設置期間:2018年12月―2022年12月31日
プロジェクトリーダー 佐々木啓一

【システムコンテンツ】
本システムは3つの部門で構成されています。
学習部門:本学会のガイドブックをベースに必要な知識を身につける
仮想患者部門(Virtual Patients:VPs):身につけた知識を実践で用いる
オンラインセミナー部門:アプリ内で最新の専門的な情報を配信する。(講義の配信や,セミナーを開催することができます。)

アプリ動画90秒版

身近な端末で、いつ、どこでも学習可能

➀学習部門

②仮想患者部門(VPs)

③オンラインセミナー部門

問い合わせ先: 一般社団法人 日本口腔顔面痛学会 事務局
〒135-0033 東京都江東区深川2-4-11一ツ橋印刷株式会社学会事務センター内
TEL: 03-5620-1953 FAX: 03-5620-1960
E-mail: jsop-service@onebridge.co.jp https://jorofacialpain.sakura.ne.jp/

プレスリリースPDF版はこちらからDL

プレスリリース(メディアの皆様へ) 一般社団法人 日本口腔顔面痛学会が難治性疾患の診断・治療に関する教育アプリをリリース